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阿波座動物医療センターでの日々の出来事や、感じた事などなど… 出来る限り更新していきます☆ よろしくお願いします!!

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こんにちは、獣医師の山下です。
春は予防のシーズンでもあり、健康診断をされる方も多い季節です。
健康診断で内臓の異常が早期に発見されることが良くあります、病気の診断は早いにこした事はありません、わんちゃんネコちゃんの健康のために健康診断をお勧めします。

さて、今回は健康診断でもよく数値の上昇のみられる胆嚢の病気を紹介します。

胆嚢の病気の代表格といえば、胆のう炎や胆石症、胆泥症などですが今回は胆嚢粘液嚢腫を患って手術をしたワンちゃんです。

胆嚢粘液嚢腫は胆石や胆泥が進行し胆嚢内に胆汁が滞留することで、胆嚢内にゼリー状の物質が溜まる病気です
末期まで進行すると、胆嚢が破裂し腹膜炎を起こし、命に関わる事もあります
また、胆汁を十二指腸に出している総胆管の閉塞により嘔吐や元気消失、お腹の痛みや黄疸が出ます。

診断はお腹のエコー検査が非常に有用です
こんな感じのキウイフルーツ状の超音波画像が見られます


今回のわんちゃんは血液検査でALKP4378と非常に高く、エコーでも上の画像に類似した像が認められたため
胆嚢破裂の危険があると判断し手術に踏み切りました。

手術前に、健康診断と胆管閉塞の有無の診断・術式の検討を兼ねてCTを撮影


画面上白く映っている部分が胆嚢ですが、幸い総胆管の閉塞は無く、腸にも胆汁に混ざった造影剤がしっかり流れていますし、胆嚢の破裂もありませんでした、一安心です

その後、胆嚢を摘出しました、中には診断のとおりゼリー状の真っ黒な胆汁の変性した塊がたくさん



手術後、ワンちゃんは血液検査の数値も下がり、元気にしています


胆嚢は病的な状態であれば摘出してしまっても命に関わることのない臓器です、これからもこのワンちゃんは元気に過ごしていってくれると思います。


胆嚢はなかなか症状を出してくれません、健康診断で発見しなければ気付いたときには黄疸や胆嚢破裂なんてことも

胆嚢粘液嚢腫は長期間かけて胆嚢内に蓄積します。もちろん、血液検査の数値が高いからいきなり手術、なんて事はありません、健康診断で肝臓胆嚢の数値が高ければ、麻酔をかけないエコー検査を施し、内科治療で悪化を妨げられれば一番良いですよね。


春はフィラリア予防の検査で血液を採取します、一年に一度の良い機会ですので、麻酔を必要としないレントゲン検査やエコー検査、血液検査で是非愛犬愛猫の健康診断をお願いします


長くなりました、また病気のご紹介をさせていただきます。
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